2021-04-30 皮膚のことを知りましょう その3 ~角層・セラミド~ 皮膚のことを知りましょう 角層のバリア機能 全身を包む皮膚は、いろいろな刺激からからだを守り、皮膚の働きを保つために、「バリア機能」が備わっています。このバリア機能の主役が角層です。角層に必要な成分がたっぷりあり、キメが整っているときは、乾燥、刺激、アレルギーといったものから守るバリア機能が正常に働いています。しかし、角層に必要な成分が不足して、水分が奪われた状態になると、バリア機能は弱まり、肌がカサついたり、いつもなら刺激にならないものに対しても敏感に反応してしまうようになります。この状態が続くと、炎症が起き、ターンオーバーが乱れて、シミ、シワなどさまざまなトラブルが発生してきます。角層のバリア機能を維持することが、スキンケアの最重要課題なのです。 角層の保水システム 健康な肌がうるおって見えるのは、角層に水分を保つ働きがあるためです。具体的に、その働きをしているのは皮脂膜、天然保湿因子(NMF)、角質細胞間脂質で、なかでも角質細胞間脂質の貢献度(保持する働きの割合)はもっとも高く、全体の80%を占めます)角質細胞間脂質の主成分はセラミドです。 保湿の働きを担う3大要素 皮脂膜、天然保湿因子(NMF)、角質細胞間脂質(主成分はセラミド)の3つにより肌はうるおいを保っている。角質細胞間脂質は、細胞と細胞の間にある特殊な脂質で、サンドイッチ状に水を抱えてすきまを埋めるセメントのような働きをしている。 バリア機能と角質細胞間脂質(セラミド) 角質細胞間脂質(セラミド)はターンオーバーの過程で角化細胞がつくり出す脂質の層状構造(ラメラ構造)になっている。通常はきれいな層を形成しているが、こする、洗いすぎるなどの刺激や角化の異常でバリア機能が弱まると、雨漏りをしているかのように、さまざまな刺激物質が表皮に入り込む。