「スモーカーズ・フェイス」って?
今日は「世界禁煙デー」。そこで喫煙と肌の話。
タバコを吸っている人は、吸っていない人に比べて肌の老化が早く進み、年齢より老けて見えます。タバコは活性酸素を発生させ、肌の骨格ともいえる真皮のコラーゲン繊維
を細く短く劣化させます。さらにニコチンは血流を悪くするため、肌のすみずみに栄養が行かず、新陳代謝をとどこおらせます。エアロゾル化したタールが顔付近について黒ずんだ角栓を形成する、タール(ヤニ)が歯につく、といったことも重なり、喫煙者は特有の顔になっていきます。
これを「スモーカーズ・フェイス」といいます。
口臭、白髪、脱毛なども目立つようになり、女性ホルモンの低下によりヒゲが濃くなるなどの男性化も伴います。喫煙はダイエットになるというのも大きな間違いです。喫煙
者はインスリン抵抗性があり、高血糖状態が続きやすく、いわゆる糖化ストレスにさらされ、皮膚の黄ぐすみ、茶ぐすみを引き起こします。
また、内臓脂肪症候群の合併を増加させることも明らかになっています。喫煙は美容への悪影響もありますが、肺や食道、咽頭、胃などの悪性腫瘍と、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などの生活習慣病のリスクを高め、健康寿命を縮めてしまうおそれもあります。海外の調査では、喫煙者のうつ病発症のリスクは、男女ともに吸わない人の2.9倍になるという報告もあります。
健やかな心身のためにも禁煙はとても大切なこと。禁煙外来に行くなど、医師の力も借りて、禁煙を実現させましょう。